食習慣がADHDのリスクを高める

ADHD(注意欠如・多動症)のリスク要因の一つに小児期の「食事」が指摘されている。これまでは食事に含まれる栄養素や成分(例えば,鉄,保存料)との関係が指摘されていたが,食習慣との関連についてのシステマティックレビューはない。

そこで,小児及び青年期のADHD児を対象に行われた,食習慣とADHDの関係について評価した14篇の観察研究についてメタ解析を行った。

その結果,健康的な食習慣(例:植物由来成分(ビタミン,ミネラル)を含む,加工食品や添加物を含まない)はADHDのリスクを弱め(OR = 0.66),不健康な食習慣(例:植物由来成分を含まない,着色料,加工食品,添加物を含む)はリスクを高める(OR=1.41)ことが明らかとなった。

(感想)本人の食習慣ではなく,胎児期の母親の食習慣は影響しないのだろうか。また,良い食習慣は良眠や睡眠覚醒リズムと関連があることが指摘されてきているので,睡眠も変数として加えた方がよさそう。

出典:Del-Ponte B et al: Dietary patterns and attention deficit/hyperactivity disorder (ADHD): A systematic review and meta-analysis. J Affect Disord 252:160-173, 2019.