パソコン使用時間が長いと眠れなくなる?

Giahi O et al. (2015). Visual display terminal use in Iranian bank tellers: Effects on job stress and insomnia. Work 52:657-662.

Visual Display Terminals(VDT:パソコンディスプレイなどの表示機器)は,多くの職場で活用されているが,視覚,筋骨格,メンタル(不眠を含む)の問題へのリスクが高まることが指摘されている。そこで本研究では,毎日のVDTの使用時間と不眠症の関係について検証した。対象者はVDTを使用している銀行窓口員382名をランダムに抽出した。アテネ不眠尺度(AIS)とDemand-control model(DCM)を用いて,睡眠の質とストレス状態を測定した。その結果,33.2%が睡眠問題を持ち,毎日6時間以上のVDT使用者はそうでない者に比べて不眠症状が有意に高かった。ストレスと不眠の間には有意な相関は認められなかった。

(感想)システムエンジニアの人に不眠の人が多い印象を持っていたが,今回の結果はそれを裏づけられそう。なぜVDTに長時間暴露されると睡が悪化するのか。脳の興奮による過覚醒か? それとも光による睡眠位相の後退か?)