うつ・不安に関係なく入眠前の過覚醒は睡眠の質の低下に影響する

Gellis LA et al. (2009). Sleep hygiene practices of good and poor sleepers in the United States: An internet-based study. Behavior Therapy,40,1-9.

睡眠衛生の実践についてのインターネット調査を実施した。PSQI<5の者をpoor sleeper(92名),PSQI>7の者をgood sleeper(128名)とし,両群の比較を行った。その結果,「昼寝」,「寝る前の興奮するような活動」,「寝る前の集中を高めるような活動」,「寝る前の,重要な問題に関する心配,計画,思考」,「ベッドの上での,重要な問題についての心配,計画,思考」,「不快感を感じる温度の部屋で寝る」,「うるさい環境で寝る」の項目について,poor sleeperの方が得点が高かった。また,階層的ロジスティック分析の結果,抑うつと不安の重症度と頻度を統制しても,寝る前の過度の認知活動は,睡眠の悪さに影響を及ぼしていることが分かった。(重症度統制:OR=1.42,頻度統制:OR=1.31)。

→ 過覚醒の問題が寝つきの悪化や睡眠の質の低下に影響を与えることは周知の事実。加えて,昼寝や室温,騒音も影響度が高いと出たのは面白い。