Hertenstein E et al: The exploratory power of sleep effort, dysfunctional beliefs and arousal for insomnia severity and polysomnography-determined sleep. J Sleep Res 24:399-406, 2015.
主観的な睡眠とPSGで測定した客観的な睡眠との間の差は,不眠症において特に知られており,両指標は部分的に独立した指標である。個人に合わせた治療ストラテジを特定するために,両指標に影響を及ぼすメカニズムを知ることが重要である。そこで本研究では,不眠モデルで指摘されている3つの主要な要素(睡眠努力,非機能的信念と態度,入眠前の覚醒)と,主観的な不眠重症度およびPSGによる客観的指標との関連性について検討した。DSM-IVの慢性不眠症の診断基準に該当した患者47名とGood sleeper 52名(統制群)が参加した。参加者は,2夜のPSG検査に参加し,Glasgow Sleep Effort Scale(GSES),Dysfunctional Beliefs and Attitudes about sleep Scale(DBAS),Pre-Sleep Arousal Scale(PSAS),Insomnia Severity Index(ISI)に回答した。年齢,性別,抑うつ症状,群を統制した重回帰分析を実施した結果,ISIはGSESとの間に有意な正の関連性が認められた。PSGによるTSTは,PSAS-somatic subscaleとDBASとの間に有意な負の関連性が認められた。
(感想)主観的な睡眠と客観的な睡眠のそれぞれに対する睡眠変数の影響度を調べた研究。身体的覚醒と客観的TSTの減少に関連があるのはおもしろい。筋弛緩法とかは客観的TSTを増加させるのか? 「よく寝た感じがしない」というのが主観的or客観的睡眠のいずれと関連があるのかも知りたい。