OSA不眠と慢性不眠の違いは?

Yang CM et al: Psychological and behavioral factors in patients with comorbid obstructive sleep apnea and insomnia. Journal of Psychosomatic Research 70: 355-361,2011.

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者の不眠症状は,二次的な呼吸障害を引き起こすと考えられている。しかしながら,先行研究ではOSA治療後も不眠が維持することが明らかにされており,不眠を伴うOSAはそうでないOSA患者よりも強い情動障害を報告する。これは,彼らの睡眠困難に心理学的要因が重要な役割を担っていることを示唆している。そこで本研究では,睡眠と関連する心理学的/行動的要因がOSA患者の不眠に及ぼす影響について検討した。88名の男性患者(OSA33名,不眠:29名,OSA不眠:26名)が対象であり,すべての患者には,PSG検査,ISI(不眠重症度),DBAS(非機能的信念),SHPS(睡眠衛生),BAI(不安),BDI(うつ),PSAS(過覚醒)が実施された。OSA不眠群と不眠群はOSA群に比べて,DBASSHPS(そのうち,覚醒関連行動),PSASBAIBDI得点が有意に高かった。OSA群とOSA不眠群は,不眠群に比べて,呼吸指数と覚醒指数が有意に高かった。OSAの指標はOSA群で違いは求められなかったが,OSA不眠の心理学的特徴は慢性不眠症患者と似ていた。不眠の併存症には,身体的,心理学的要因の評価と治療が必要である。

(感想)結局,どのような治療をすべきか知りたい。OSA不眠があってもCPAPOKなのか?CBT-Iを実施すると何が変わるのか? 今後の検討課題かな。