ASDと睡眠障害

Hirata I et al: Sleep problems are more frequent and associated with problematic behaviors in prescholers with autism spectrum disorder. Research in Developmental Disabilities 49-50:86-99,2016.

ASD児は問題行動と関連する睡眠の問題に困っている。しかし,日本ではASD児の睡眠問題に関する研究はほとんどない。そこで本研究では未就学児のASD児およびコミュニティサンプルの睡眠の問題について比較し,ASD児の睡眠問題と問題行動との関連を検討する。就学前の子どもをコミュニティから965名,ASD193名の睡眠問題について,JSQ-PJapanese Sleep Questionnaire for preschoolers)を用いてアセスメントし,問題行動に関しては107名のASD児を対象にCBCLを用いて測定した。その結果,ASD児の方が,有意に多くの睡眠問題を経験しており,その内訳はOSA,睡眠時随伴症(Parasomnia),不眠/概日リズム障害(I/CRD),日中の過度の眠気,Bruxismであった。また,睡眠問題をもつASD児は,もたないASD児に比べて問題行動(Internal problem)が多く認められた。睡眠問題の重症度(特に不眠)は問題行動(internal and external problem)と有意に関連していた。

(感想)ASD児は,不眠やリズム障害だけでなく,OSAparasomniaも一般人口より多いんだな。ただ,問題行動に影響を与えるのは,不眠と日中の眠気で,parasomniaExternal problemと関連だけ認められたから,この年齢で対処すべきは不眠と日中の眠気になる。年齢変化で問題行動との関連が変わっていくかどうかも知りたい